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800VDCと液冷がAIデータセンターを変える——DCバスバーに何が起きるか

2026年、AIラック密度が120〜227kWに達する一方、空冷は30〜40kWで限界を迎えた。答えはラックでの液冷と施設での800VDC給電。どちらも銅の使いどころを変え、DCバスバーの役割を再定義する。

ByAiko Tanaka データセンター Industry News

2026年、AIラック密度が120〜227kWに達する一方、空冷は30〜40kWで限界を迎えた。答えはラックでの液冷と施設での800VDC給電。どちらも銅の使いどころを変え、DCバスバーの役割を再定義する。

1. 空冷を破った電力密度

従来ラックは5〜10kW、AIラックは120〜227kW。約20倍の差は空冷では埋まらない(Coolnet, 2026年9月)。30〜40kW超では液冷が標準になる。

NVIDIA GB200 NVL72世代は1ラック120〜132kW、Vera Rubinは全面液冷、600kWラックも発表済み(Meticulous Research, 2026年10月)。すべてのワットは銅として届き、パワエレ用バスバーを電流として出ていく。

2. 液冷浸透率:2年で14%→53%

TrendForceは2025年33%(2024年14%)とし、2026年8月にAIチップ向け2026年予測を53%、2027年60%へ引き上げ(Coolnet, 2026年9月)。Dell'Oroは市場を2025年約30億ドル、2029年約70億ドルと試算、単相Direct-to-Chipが優勢(Dell'Oro, 2026年1月)。

PFASを含む二相液は2027年1月31日までのTSCA届出期限に直面し、単相DTCがDTC市場の約55%を占める(Data Center Insights, 2026年7月)。

3. 800VDCが参照アーキテクチャに

48Vの代わりに800Vで給電すれば、同出力で銅の電流は約1桁減る。バスバー断面もケーブルも電圧降下も減る。商用展開は2027年、Vera Rubinから(Coolnet, 2026年9月)。

Compal/Exascaleのネイティブ800VDCプラットフォームLOI、AirJoule/BitSinkの発表(2026年9月)が日程を前倒しした。

4. 電力経路:PSU→中間バス→ポイントオブロード

AIラックはPSUと中間バスコンバータ(IBC)を経てGPUレギュレータに給電する。Infineon×NVIDIAの提携拡大(2026年10月、GTC Berlin)はこの段階が狙い:800V→50V・12V・6V、最大1MHzのGaN IBC(Power Semiconductors Weekly, 2026年10月)。

各段はDCリンクであり、積層バスバーが直流を通す。100kWシェルフは800Vで約125A——適正設計のバスバーが必須だ。

5. 800Vラック内のバスバー配置

整流器/PSUのDCリンク、IBC入力バス、垂直バスウェイ、PDU引き出し、BBU接続の5ゾーン。800Vでは電流容量より絶縁が主役になり、部分放電フリー設計が設計ゲートになる。

800VDC給電ラック用バスバー
800VDCラックのバスバーゾーン(イメージ)。

6. 800Vで積層・バスウェイ・ケーブルの選択

長距離はバスウェイ、フレキシブル配線はケーブル、密度・インピーダンス・熱が問われるラックとコンバータでは積層バスバー。低インダクタンス設計は熱経路と一体で計画する。カスタム設計サービスがある。

7. 800VのDC設計:絶縁・PD・アーク

直流アークは自然消弧しない。絶縁厚の増加、より長い沿面距離、エッジ処理の検証、ロット単位のPD/耐圧記録が現実解となる。

8. 熱結合:液冷と電流密度

液冷は熱を源の近くで除くため高密度化を許すが、接合部と端子の温度管理が前提。実測ベースの電流容量、錫めっき、熱サイクル実証が有利に働く。

液冷AIラックと800VDCバスバー
液冷AIラック:冷却回路の隣に800VDCバスバー(イメージ)。

9. 銅需要と材料の論点

1ワットはまず銅。C11000が1〜6+層・約1000A級積層バスバーの主材。購買側は納期・ロットトレーサビリティ・証明書を確認する。積層・表面処理・試験を内製する直接供給元が800Vプログラムのクリティカルパスを短縮する。

10. 800V経路の規格と安全

DC給電・アーク解析・コネクタの規格群はまだ整備途上。当面は保守的な距離、検証済み部分放電、文書化された絶縁試験で守る。

11. 2026年に購買が求めるべきもの

800VのRFQでは、使用電圧でのPD/耐圧データ、定格電流での熱測定、厚み証明書、沿面・空間距離計算、サイクル/振動実証を要求する。サプライヤー評価チェックリストで製造深度と文書規律を確認。

12. SHANYUAN:1〜6+層・約1000A・工場直販

SHANYUANは日照の17,200m²工場でEV・ESS・パワエレ向け積層バスバーを製造:C11000銅、1〜6+層、PET/Nomex/DLF、約1000A級、錫めっき、M6/M8スタッド・ブレード・溶接端子。技術回答と見積りは1営業日。

13. 2026〜2028年の展望

3つの節目:Vera Rubinのネイティブ800VDC(2027)、600kWウルトララックの量産検証、800VDC規格群の初期合意。各節目が設計勝ちを量産へ変える——文書化されたDCバスバーシステムのために。

14. 次のプログラムへの第一歩

早めに始める:問い合わせページから出力プロファイル・電圧クラス・実装スペースを送付ください。1営業日で回答。関連記事:データセンターのGaN、AIデータセンター向けDCバスバー。

120〜227kWAIラック密度 vs 従来5〜10kW(Coolnet, 2026)
53%AIチップ液冷浸透率2026E(TrendForce)
800VDCAIファクトリーの参照アーキテクチャ
2027Vera Rubinで商用展開
よくある質問

Frequently asked questions

なぜ800VDCが48Vに代わるのか
800Vでは同出力の銅電流が約1桁減り、断面・重量・損失が削減される。代わりに絶縁協調の厳格化、PDフリー設計、直流アーク対策が必要になる。
800VDCラック内のバスバー位置は
PSU DCリンク、IBC入力バス、垂直バスウェイ、PDU、BBU接続の5ゾーン。それぞれ電流・電圧・機械要件が異なる。
800Vで絶縁はどう変わるか
沿面・空間距離が約2倍になり、部分放電開始が設計ゲートに。エッジ処理の検証とロット単位のPD/耐圧記録が標準になる。
液冷環境でバスバーはより高温でもよいか
熱が源の近くで除かれるため高密度化が可能な場合が多いが、接合部と端子の温度管理は必須。実測ベースの温度上昇が正しい根拠になる。
800VバスバーのRFQには何を入れるか
PD/耐圧データ、定格電流での熱測定、厚み証明書、沿面・空間距離計算、接続方法のサイクルまたは振動実証。
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Aiko Tanaka
Aiko Tanakaアプリケーションエンジニアリングマネージャー

Aiko TanakaはSHANYUANのアプリケーションエンジニアリングマネージャーで、積層バスバーをデータセンター、エネルギー貯蔵、新エネルギーシステムに適用した経験が11年あります。アプリケーション選定、カスタムプロファイル開発、プロジェクト納品を統括しています。東京大学で電気工学の学士号を取得。UPS、BESS、データセンター配電向けバスバー選定について執筆しています。

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